お笑い観覧記

沖縄一の「大喜利強者(ちゅ〜ば〜)」は誰だ⁉︎プロ?アマ?そんなレッテル関係ない!ごちゃごちゃ言わんと誰が一番面白いか決めればええんや!!〜第2回 大喜利模合杯 観覧記〜

(※レポートのため敬称を略させていただいております。ご了承ください。

また、大喜利を紹介する際の表記については以下の通りとさせていただきます。

・「」内はフリップに書かれていた部分です。

 「」外は、発表した際にしゃべりの部分となっています。

・イラストで発表されていた際は、後ろに(絵)を入れております。)

今、沖縄で空前の「大喜利」ブームが訪れていることをご存じだろうか?

その流れを生んだのが、毎週火曜日、那覇市壺屋にある「壺屋演劇場 かさね」で行われている「大喜利の壺」だ。

主催しているのは「めたりか」のクレ・ユウイチロウ。

「めたりか」は、2019年10月1日にクレと、いっさくで結成されたフリーのお笑いコンビだ。彼らが中心となって沖縄に「大喜利」の一大ムーブメントを起こしたと言っても過言ではない。

僕が胸を躍らせながら来たのは、那覇にある「那覇市ぶんかテンブス館」。普段なら、プロレスを見にやって来る場所なのだが、今回は違う。

今回の目的は、沖縄のお笑い界隈でジワリと人気を集めている「大喜利」の一大イベント。沖縄一の大喜利強者(ちゅーばー)を決定するトーナメントを見るために来たのだ。

第1回大会も、抱腹絶倒だった大喜利イベント「大喜利模合杯」。第2回は司会に元ザブングルの松尾陽介、アシスタントに沖縄のモデルアイドルグループOBPの杏月、ひがにこの2人を迎えての開催となった。

予選を勝ち上がってきた、総勢12名の「大喜利ちゅ〜ば〜」たちがしのぎを削るトーナメントの幕が上がろうとしている。

会場には多くの観客が詰めかけ、用意万端整った!

ゴチャゴチャ言っても始まらない。沖縄で一番大喜利が面白いやつが今日、決まる!

オープニング

トーナメント会場であるテンブスホールに司会の松尾陽介、アシスタントを務めるOBPの杏月(あつき)とひがにこが登場する。

40代の僕にとって、ザブングルと言えばテレビのスーパースター、その一人が目の前に!と考えただけでも心ワクワクだ。さらに、可愛らしいアイドル2人会場を彩る。大輪の花が3つも揃うと会場も華やぐ。

場の空気を盛り上げようと、突然「OBPのO」と、あいうえお作文をフッた松尾。これぞ、芸人のキレ!という展開を繰り広げる(笑)。思わず、吹き出してしまった。

(ちなみに、OBPに興味を持った方は、こちらから公式HPをチェック!)

キレのある回しをしながら、ルール説明が進められていく。やはり一線級で活躍してきた松尾のトークは素晴らしい。随所に軽妙な掛け合いもあり、会場も温まっていくのが感じられた。

(そんな素晴らしい回しを披露してくれた松尾陽介は、ラジオのレギュラー番組を沖縄で持っている。詳しくは、こちらをチェック!)

ルール解説が終わり、いよいよ、予選を勝ち抜いてきた「大喜利ちゅ〜ば〜」たちが入場してくる。

準々決勝Aブロック

出場者

A16 よしもと沖縄所属

ちょめのすけ(りくえすと) オリジン・コーポレーション所属

いりばる アマチュア

嶺井 アマチュア

大福みっちー (第1回 大喜利模合杯 優勝者) FEC所属

ボイラー仲間 アマチュア

プロ・アマの予選を勝ち抜いた猛者はもちろん、前大会優勝者が揃った準々決勝Aブロック。出場者が揃ったところで、松尾が開口一番「じゃあ、OBPのOいけます?」とジャブを放つ(笑)。

着席を促されたところで、芸人の魂が騒いだのかA16が「座っていいですか?」と問いかけ、「ヤクルトスワローズ」とボケをかましてきた。それを松尾が「座ろうとかかってますからね」とサラリと流す(笑)と会場からは拍手が起きる。

和やかな雰囲気の中、お笑いの瞬発力が試される大喜利トーナメントの第1お題が発表された。

小学校みたいな会社。どんなの?

先陣を切ったのは、A16。

「給料がこんぺいとう☆」

力強く答えるA16に会場から笑いが起こるのだが、お客さんも固くなっていたのか大爆笑まではいかず。そこですかさず「分かった、こういうタイプの人ね」とフォローを入れる松尾。このフォローに笑いが漏れた。

一番最初に答えを出すことは勇気がいる。そんな勇敢な男、A16は勢いをそのまま笑いに変えることができるので、突っ走れば一気に会場の雰囲気をさらっていきそうな感じだ。

A16の回答をきっかけに次々と答えていく出場者。その中で大爆笑をかっさらったのは、アマチュア予選を勝ち抜いた嶺井。

「ここまで会社が大きくなるまで5分かかりました」

淡々とした回答と、何か面白いことを言ってくれそうな雰囲気を持っている嶺井が、プロを差し置いて観客の心を鷲掴みにした。確かに、こんなことを言う教師はいそうだが、5分で会社はでかくならない(笑)。この落差が面白くて思わず吹き出してしまう。

ここで流れが良くなったのか、出場者たちから次々に答えが繰り出される。巧みな言葉で勝負する者、イラストを使い視覚効果で笑わせにくる者など、笑いのパターンは多種多様だ。しかし、思ったように会場がわき立たない。

もしかすると、お客さんの方にも少々緊張があったのかもしれない。面白い回答が連発される中、「あれ?これって笑って良いのかな?」というような空気感があったように思われる。お客さんの中には、大喜利を初めて見るという方もいたかもしれないので、仕方ないだろう。参加者の回答は、確実に笑いのポイントを突いてきている。爆笑に包まれるのは、もうすぐに違いない。

と、ここで最初のお題が終了し、第2お題へ。

マジシャンがアシスタントと大喧嘩!何があった?

こちらのお題、真っ先に答えたのは前大会優勝者の大福みっちーだ。第1お題では、自分の答えに頭を傾げる場面もあったが、

「ハトを忘れた!!」

の一言で、会場の笑いを誘う。会場の雰囲気を感じて、シンプルなボケに切り替えたのは、さすがプロの芸人、お見事!の一言に尽きる。

が、ここでアマチュア代表の嶺井が再び笑いをかっさらう回答を突っ込んでくる。

「真っ2つにされた」

タネがあるはずのマジックで真っ二つにされるとは!もはや大喧嘩すらできないような気もする(笑)。嶺井の回答のキレには脱帽だ。

再度、大福みっちーの手が上がる。ここは、大福みっちーと嶺井の回答の応酬となる。

「小さい声でヘタクソと言われた」

これも会場を沸かせる回答。2人が引っ張るような形で、会場の雰囲気が大喜利に慣れてきたようだ。

このお題では、テンポ良く回答が繰り出された。その中でも、嶺井と大福みっちーは手数を多く出していく。どの芸人の答えも会場の笑いを誘うが、このお題では、2人が主導権を握っていたように思われる。

準々決勝、最後のお題が発表される。

三日三晩料理番組を見続けた後にみる夢の内容を教えてください

準決勝進出者を決める最後のお題。出場者たちにも気合が入る。沖縄一の大喜利ちゅ〜ば〜に近づくのは果たして…。

このお題、真っ先に手を挙げたのは、アマチュア代表のボイラー仲間。

「平野レミが笑っている」

という回答で、会場を爆笑させた。確かに、三日三晩料理番組を見たら、そんな夢を見てしまいそうだ(笑)。また、平野レミが怒っているのではなく、笑っているというのも、面白ポイント。あの元気な笑顔が、お客さんの脳裏にはっきりと見えたに違いない。

会場もエンジンがかかり、出場者が繰り出す渾身の答えに呼応するように、笑いが大きくなっていく。会場は大喜利モードに突入だ。

個人的に好きだったのは、大福みっちーの回答。

「かみぬまえみこさんとキス」

長年、お昼の料理番組の司会を務めた上沼恵美子女史。その功績をたたえる上でも、キスはしたくなるかもしれない(笑)。

そして、ちょめのすけの回答。

「3分で目覚める」

これは、笑ってしまった。長年続く料理番組、キュー◯ー3分クッキング。三日三晩見続けいたら、体内時計が3分になってしまったのだろうか(笑)。

面白回答が連発された大喜利模合杯 準決勝Aブロックは、時間いっぱいとなって終了。予選を勝ち上がってきた大喜利ちゅ〜ば〜たちの回答は、お客さんの腹筋を崩壊させたに違いない。それくらい、大いに笑わせてもらった。

そして、お客さんの投票時間を使って、なぜか舞台上では「OBP」で、あいうえお作文が開始。ここは、A16の答えが秀逸だった(笑)。

「O アウト

 B ボール

 P パンチラ」

最後になぜかハーモニカを吹いていたのと、ドヤ顔がツボに(笑)。ちょこちょことユニットでのコントを見せてもらっているのだが、やはりA16の勢いがある笑いが大好きだ。

準々決勝 Bブロック

出場者

寿パンチ(いってきます) オリジン・コーポレーション所属

岩田勇人 よしもと沖縄所属

花村 アマチュア

ようじ教 アマチュア

リョウジ(ハナフラワー) よしもと沖縄所属

しん(しんとすけ) オリジン・コーポレーション所属

準々決勝Bブロックも、負けず劣らず猛者揃いのブロック。芸人が多い中、アマチュア枠の2人がどのような戦いを繰り広げるかが楽しみだ。

入場から寿パンチが大声を張り上げ、会場を煽る。それに釣られるように、出場者たちも前へ前へ。そんな中、客席に降りていたようじ教が、舞台に飛び上がろうとして、すねを打ちつけ一言。

「くやしいです!」

まさかの、司会の松尾をいじるという展開に(笑)。松尾も軽く流す感じに対応したため、会場が爆笑。大喜利前から、すでに客席の準備は整った。これだけで、寿パンチとようじ教は今日のMVPだ(笑)。

自己紹介でも会場は大いにわき上がる。寿パンチの決め台詞、

「あなたのハートに寿パーンチ!」

から大声大会が開催される。花村をのぞく全員が大声での自己紹介となった。大声大会の中、淡々と自己紹介を行った花村は、逆にお客さんの印象に残ったに違いない。なかなかの策士だ(笑)。

準々決勝Bブロック、第1お題はこれ。

ヤンキー動物園でありそうなことを教えてください

先陣を切ったのは、入場の時点で会場を大いに盛り上げた寿パンチ。自己紹介での大声大会の影響か、やや静かになった(笑)場に勢いをつけることはできるだろうか。

「お前、どこ園だこら!!」

寿パンチが会場の様子を見るようにジャブを放つと、ようじ教が

「ゾウさんがすごい眉毛剃ってる」(絵)

と繰り出す。入場で会場をわかせた2人によるワンツー。会場からは笑い声が。掴みは良い感じのようだ。

このお題で手数を出していくのは寿パンチ。オシャレな回答で、大声を張り上げていた入場時とは違うインテリジェンスを発揮した。

個人的に目と耳をひかれたのは、ハナフラワーのリョウジ。回答の際に描くイラストが可愛らしいのと、「ええ声〜!」なのだ(笑)。低音ボイスの魅力で、お客さんの心を掴みたいところだ。

個人的にグッときたのは、しんとすけのしんの回答。

「じんカメー」(絵)

(いわゆるカツアゲのこと)

いかにもヤンキーがやりそうなカツアゲを、可愛らしい亀のイラストで表現したところがツボだった(笑)。

第1お題は、回答しやすかったのか、ポンポンとリズム良く答えが出ていたので、お客さんも大いに笑っていた。場が温まり、会場の雰囲気も良くなってきた。

第2お題はこちら。

ネガティブ算数。どんなの?

このお題、真っ先に手を挙げたのは岩田勇人。

「ひき算のみ」

これぞネガティブ算数!(笑)これは会場も納得の笑いが起こる。シンプルながら秀逸な回答だ(笑)。

続いたのは、しん。

「花子さんはりんごを買いに行ったま」ま帰りませんでした

ネガティブ!(笑)なんてネガティブな答えなんだ!と爆笑してしまった。もちろん会場も大爆笑。

ここで、しんが畳み掛ける。

「低辺」はオレだ

ネガティブすぎる(笑)。ネガティブすぎる回答なのに会場は大爆笑。

このお題、答えやすかったのか、ポンポンと面白い回答が飛び出してくる。出場者がノッてくると会場も笑いのボルテージが上がる。あらゆるところから笑い声が聞こえてくる。笑い声が聞こえると、出場者のテンションも上がるという好循環。

準々決勝Bブロック、最後のお題はこれ!

現代にめっちゃ適応してるサムライ「 〇〇〇〇〇でござる」

なかなか難しそうなお題。このお題の先陣は花村が切る!

「ヘイSiri」でござる

サラッと答える花村だが、この淡々とした感じが松尾にもハマり、「花村くん、いいね」の一言。

畳み掛けるように花村は

「内視鏡で切腹」でござる

と答え、「声のトーンが素人っぽいのにちゃんとした答えしているのが良い」と再び松尾に褒められる展開。これは、芸人にとっては羨ましい展開だったのではないだろうか?(笑)

個人的に好きなだったのは、ようじ教の答え。

「ホームセンターで刀をといでもらったでござる」

包丁研ぎをたまにやっているのを見かけるが、あそこに侍が並んでいるのを想像してしまうと、そのシュールな姿に吹き出してしまった(笑)。

このお題、攻めていったのはプロの芸人たち。ポンポンと回答を繰り出し、笑いを取っていた。一方、アマチュア枠の2人は、手数は少ないもののインパクトのある答えを繰り出して笑いを取っていたように思う。

果たして、準決勝進出者は誰のか。観客が審査を開始する。

そんな中、間をつなぐようにリョウジが最前列のお客さんの似顔絵を描くという技を繰り出す。

が、間をつないだ時間、最後の最後に持っていったのはようじ教。

「ザブングルの今後は?」

と、最後まで松尾をいじるという強心臓振りを発揮(笑)。誰かを巻き込む嗅覚が鋭いのが彼の面白さだ。

準決勝進出者発表

休憩をはさみ、ついにお客さんによる審判が下る。準決勝進出者5名は次の通り!

準決勝進出者

Aブロック通過

嶺井

大福みっちー

並み居る芸人を押し退けて、アマチュア枠の嶺井が予選を突破。淡々とした中に見える、シュールさとリアルの間を縫うような笑いが、お客さんにも刺さったようだ。

そして、前大会優勝者の大福みっちーも見事に通過した。今回は、お客さんの笑いのツボを掴むのに苦労したようだが、そこは前王者。しっかりと準決勝進出を決めた。

Bブロック通過

リョウジ

花村

Bブロックは声の素敵な2人が通過!(笑)こちらもアマチュア枠の花村に注目が集まる。サラッとした物言いから、ジワジワとくる笑いのボディブローがお客さんの心を撃ち抜いたようだ。

リョウジは前大会の準優勝者という実力者。魅惑の低音ボイスから繰り出される言葉巧みな回答と、キュートなイラストを武器に決勝進出を目指す!

プラスワン

しん

ゲスト参戦のしんが最後のひと枠「プラスワン」を勝ち取った。回答の爆発力は、出場者の中でもトップレベル。大喜利力もあるところを見せたプロ芸人が決勝を虎視眈々と狙う!

いよいよ、決勝進出をかけた大喜利バトルが開始される。一体、どのようなお題が出場者を待ち構えているのか。

沖縄一の大喜利ちゅ〜ば〜の座を目指し、準決勝が開幕する!

準決勝

準決勝は変則ルール。準々決勝はお題がひとつずつ3題出されていたが、準決勝では3題をまとめて出題。その中から自分で選択して答える形だ。誰が、どのようなお題を選び、お客さんから爆笑を取るのか…。

準決勝のお題はこれだ!

A.魔王の城が魔王の実家も兼ねてたら起こりそうなこと

B.バカ山くんが考えたオリジナルスポーツを教えてください

C.今日はこのクラスに新しいお友達が増えます!ガラガラガラッ 「どうも〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇」

準決勝、真っ先に手を挙げたのは嶺井。キラリと光るセンスで、口火を切ることができるだろうか。嶺井が選んだお題はB!

「100m歩行」

走るでもなく、競歩のように早く歩くわけでもない。ただ歩くのみ(笑)。この回答には会場も爆笑。素晴らしい口火を切った。

嶺井の爆笑回答に刺激を受けたのかプロ芸人から次々と手が挙がる。リョウジのイラスト回答、しんの言葉巧みな回答、そこにアマチュア枠の花村が割って入るという展開。前回覇者、大福みっちーが苦戦を強いられていた。

個人的に好きだったのは、リョウジのお題Bに対する回答。

スポーツって「なに?」

バカ山くん、それはバカすぎる(笑)。そこから入ってしまうと、オリジナルスポーツもへったくれもないではないか!と、勝手に自分の胸の中でツッコんで笑ってしまった(笑)。

同じくリョウジのお題Cに対する回答。

どうも「バカ山です!!」

Bのバカ山が転校してくるという、展開がもの凄くイメージしやすく、なぜか脳内再生できてしまい、大いに笑った。

そして、おそらく会場も爆笑していたであろう、嶺井のお題Bに対する回答。

「ボクシンゲ」

何かは分からない、何かはわからないが、何か面白い(笑)。これを淡々と口にする嶺井の真顔も素晴らしい!会場全体が盛り上がる。松尾も「ルール聞きたいわぁ」と感心していた様子だった。

準決勝、プロ芸人が手数を出して笑いを取り、アマチュア枠の2人が要所で爆笑を取るような展開。大福みっちーが振るわなかったのが残念。個人的に好きな回答もあったのだが、会場にはいまいち伝わらなかった様子だ。

しかし大福みっちー、さすがは前回大会の覇者。流れに乗れていないのを逆手に、自分を責めてみたり、強気で回答してみたりと流れを変えようと奮闘する様は、芸人然としていてカッコ良かった!

準決勝が終了し、決勝進出はお客さんの手に委ねられた。決勝に進めるのは、5人中3人。一体、誰が選ばれるのか。ハラハラドキドキが会場を支配していく。

そして、ここでもリョウジはお客さんの似顔絵を描いて心を鷲掴み!抜け目がない(笑)。これが結果に響くのかは分からないが、とにかくイラストの上手さに脱帽。

決勝進出者発表!

ついに集計が終わり、決勝進出者が決定した!今回は得票数の順に3位から発表される。決勝出者、第3位は…

決勝進出 第3位 リョウジ

第3位はリョウジ!魅惑の低音ボイスと可愛らしいイラスト、日常をほんの少し異化した回答で会場を笑わせていた男。前回大会準優勝者がまずは決勝進出を決めた!

決勝進出 第2位 花村

なんとアマチュア枠から花村が第2位を獲得!穏やかな語り口から繰り出される、どこかシュールな切り口の回答がお客さんのハートをゲット!並み居るプロを押さえて2位通過はあっぱれだ。

決勝進出 第1位 嶺井

1位通過を勝ち取ったのは、同じくアマチュア枠の嶺井!真面目そうな風貌からは想像がつかない、鋭利な角度で、切れ味抜群の回答はプロに引けを取らなかった。その点がお客さんの評価につながったに違いない!決勝1位通過はお見事の一言。

なんと、決勝に進出したのはアマチュア枠から2人、プロ芸人が1人という波乱の展開。並み居るプロを押さえて決勝進出を決めた2人は、まさにアマチュア枠の星。実力はプロに勝るとも劣らないことを証明した。

そして、プロからたった1人残ったリョウジには相当のプレッシャーがかかることが予想される。プロのプライド、意地にかけても優勝したいところだろう。

沖縄一の「大喜利強者(ちゅ〜ば〜)を決める戦いも佳境を迎えた。沖縄大喜利界の頂に立つのは一体誰なのか。最終決戦の幕が今、上がる!

決勝戦

決勝は、準決勝の際の変則ルールを受け継いで、5つのお題の中から1つを選んで回答するスタイル。決勝進出を決めた3人も引き締まった顔をしている。おそらく勝者は、この大喜利を「一番楽しめた人」になるに違いない。僕には、それだけ3人の実力が伯仲しているように感じられた。

いよいよ、決勝戦。お題はこちらの5つ!

A.かなりキモい腹話術

B.「ブラット ピットピト」「豊豊秀吉」みたいに人の名前を少し増やして面白くして ください

C.この前探偵が「謎は全て解けた」みたいにこんなことを言ってました

D.こんなハンガーは嫌だ!

E.来週の!〇〇〇〇ですが!〇〇〇〇!

攻めやすそうなお題から、なかなか回答が難しそうなお題まで、最後の決戦にふさわしい、さまざまなお題が出揃った。会場も期待に満ちた空気に包まれている。

決勝戦、口火を切ったのはリョウジ!プロとしてのプライドにかけて、まずは一発かましておきたいところ。リョウジが選んだお題はB!

「もがもがもがみもが」

会場からは大きな笑い声。松尾からも、1個目としては最優秀との評価を受ける回答だ。確かに、口に出して言いたくなる(笑)。

その雰囲気の中で嶺井がAを選択。

「三段腹にしゃべらせる」(絵)

うん、キモい(笑)。しかも、描かれていたのは、ごく普通の三段腹。これはキモいし見たくない(笑)。嶺井ワールドとでも言うのか、空気感を作るのがうまい!

アマチュア枠からの刺客が、場の雰囲気を飲み込むかと思われたとき、リョウジがAを選択して回答。

「人形は持っているが術師のチャックがパクパクしゃべる」(絵)

会場はこれで爆笑するが、リョウジの次の一言が秀逸だったと僕は感じた。

「キモいですよね」

狙ったのかどうかは定かではないが、ボソッとつぶやいたこの一言。流されてしまったものの、ここでリョウジは、勝敗を左右する最後の武器を手にすることになる。

花村も他の2人に負けじとBを選択して回答。

「尾田栄十郎」

花村の素晴らしさは、目のつけどころだ。お題は、文字の重複させることで面白くすることを意図しているが、花村が選んだのは名前の数字を足し算する手法。これには、松尾も「作家でよびたい」とつぶやくほどだ。

さすがは決勝進出を決めた3人。一歩も引かない素晴らしい勝負になってきた。

しかし、ここでリョウジが覚醒する回答を繰り出す。選んだお題はB。

「かとう一二三四五六七八・・・」

これで会場から笑いが起こるが、次の一言で会場の爆笑をさらう。

「多いですよね」

魅惑の低音ボイスでつぶやくこのスタイル。これが、お客さんのツボにビタッとハマったようだ。

僕が思うに、これは狙ってつぶやいたのではないだろうか。先ほどの一言、流されはしたものの、お客さんからは反応があった。そこで、リョウジは「この一言、かぶせてみようかな?」と思ったのかもしれない。あくまでも、僕の個人的な感想だが。

ここからは、独特の世界観を持った嶺井、淡々とした中に鋭い角度から回答する花村と、2人も積極的に攻めていく。お客さんの反応もよく、笑い声がそこかしこから上がる。

個人的に好きだったのは、嶺井のお題Aに対する回答。

「無言」

腹話術で無言…いやいや、キモすぎる(笑)。そんな腹話術楽しそうじゃないし、本当に怖い(笑)。この世界観、好きすぎる。

そして、花村のお題Eに対する回答。

「ワクチンですが永谷園製です」

永谷園、ワクチン開発したんだぁ…そんなバカな(笑)。この不思議な角度からの回答も花村の面白さだろう。要所要所で切り込み、スパッと笑いを取っていた。

しかし、圧巻だったのは、やはりリョウジだ。最後に魅惑の低音ボイスで一言つぶやくという武器を手に(笑)、お客さんの爆笑を誘っていく。松尾いわく「悪い武器」(笑)。しかし、お笑いの場は真剣勝負。強い武器を持ったリョウジが攻めていく。

リョウジの全回答後の一言はこちら。

「キモいですよね」

「多いですよね」

「バランス悪いですよね」

(お題Dの回答・ハンガーにドリンクホルダーがついているというイラストを描き)

「やぶれちゃいますよね」

(お題Dの回答・ハンガーが有刺鉄線のようになっているというイラストを描き)

「難しいですよね」

(お題Cの回答・謎ってどう書くんですか?という回答で)

「困りますよね」

(お題Eの回答・〇〇の部分に落書きをして「誰?落書きしたの〜」という回答で)

「誰がしゃべるか気になりますね」

(お題Aの回答・腹話術師が大量の人形を持っているというイラストを描き)

「お腹空きましたね」

(お題Dの回答・ハンガーがハンバーガーになっているイラストを描き)

「痛そうですね」

(お題Cの回答・お題のセリフを言って歩き出した探偵がコケてしまったという回答で)

「キモいですね」

(お題Aの回答・腹話術師がドロドロに溶けているというイラストを描き)

死力を尽くした戦いが繰り広げられ、制限時間の15分が経過し終了のベルが鳴り響く。猛者たちが、ペンを置き、勝敗の行方はお客さんの投票に委ねられた。果たして、沖縄一の「大喜利強者(ちゅ〜ば〜)」に選ばれるのは?

プロを差し置き、アマチュア枠から勝ち残った嶺井、花村のどちらかが栄冠を掴み取るのか。プロの意地とプライドをかけて、決して譲れない気持ちであろうリョウジが取るのか。会場も興奮と期待に包まれる。

そして、投票用紙の回収の間、リョウジは恒例となった、お客さんの似顔絵を描いて場を和ませるのだった(笑)。

決定!沖縄一の「大喜利強者(ちゅ〜ば〜)」!!

投票の集計が終わり、ついに沖縄一の「大喜利強者(ちゅ〜ば〜)」が決まる。栄冠を掴んだのは一体…。

発表の前にまずは出場者全員が舞台へ上がる。最後の最後、きっちりと爪痕を残すように、寿パンチは井上陽水のモノマネを披露(笑)。A16は、椅子運び用の台車を使って「沖縄にコストコができたときの練習」とボケる(笑)。ナイスな掛け合いが繰り広げられた。

出演者からの告知も終了し、いよいよ結果発表。沖縄一の「大喜利強者(ちゅ〜ば〜)」が決定する瞬間が訪れた。

OBPの杏月、ひがにこから勝者の名前が読み上げられる。

「第2回 大喜利模合杯、大喜利強者(ちゅ〜ば〜)は…発表はCMのあとで!」

M−1を彷彿とさせる(笑)ボケが決まり、舞台上では出場者がコケる展開に。お約束のボケだが、OBPの可愛らしい2人がいうと、また新鮮な感じだ(笑)。

さて、場が和んだところで、本当に結果発表。

「第2回 大喜利模合杯、大喜利強者(ちゅ〜ば〜)は…ハナフラワー、リョウジさんです!」

見事、大喜利強者(ちゅ〜ば〜)の座を掴んだのは、ハナフラワーのリョウジ!前回大会の準優勝から、優勝を手にした!

他の2人も面白かったが、やはり「悪い武器」(笑)を手にしたリョウジがお客さんの心を鷲掴みした結果になった。

最後の最後もお客さんの似顔絵を描いていたリョウジ。そのサービス精神も素晴らしい!勝利後の一言は、

「いやぁ、前回準優勝だったんで、もう、今年こそはと思ってたんでね、優勝して本当に嬉しいです。とりあえず、あのぉ、もらった賞金、全部1枚ずつ透かして本物かどうか確かめたいと思います。ありがとうございました!」

最後の最後までボケを忘れないその精神。まさに芸人の鑑!!改めて、リョウジ、おめでとう!!

ちゅ〜ば〜どもが夢のあと

いつも思う。芸人の素晴らしいところは、トーナメントという戦いの場においても、相手の回答をみて笑ったり、時には悔しそうな表情を見せながらも、相手をたたえるところだと。

今回開催された「第2回 大喜利模合杯」でも、その様子が各所で見られた。最後に舞台に上がる芸人たちの中には、「次こそは俺が」と考えた者も多かっただろう。

そして、アマチュア枠として出場した沖縄のフリー芸人にも喝采を叫びたい。特に、毎週開催される「大喜利の壺」で、大喜利技術を磨き続ける様はカッコイイ!

今回は改めて、芸人の真剣勝負に臨む姿を見て、感動させられた。お笑いには、人の心を動かす力があることを実感した1日だった。

そんな僕が、ふと思ったこと。

「ああ、僕も大喜利してみよっかな…」

実現するかどうかは分からない。いや、しないかも…?(笑)

第2回 大喜利模合杯に出場した、すべての芸人、アマチュアの皆さんに感謝。

そして、沖縄で大喜利文化を育てようと取り組んでいる、今大会の主催者であり、僕を誘ってくれた、めたりかのクレ・ユウイチロウに、心からの感謝を込めて結ばせてもらおうと思う。

最高の舞台をありがとう!最高の笑いをありがとう!大喜利、最高!!

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